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dbwrap_tool — dbwrap インタフェースを使うローレベル TDB/CTDB 操作ツール

Synopsis

dbwrap_tool [-d <debug level>] [-s <config file>] [-l <log file base>] [-V] [--option=<name>=<value>] {<database>} {<operation>} [<key> [<type> [<value>] ] ]

説明

このツールはsamba(7)システムの一部である。

dbwrapツールプログラムは、dbwrapインタフェースを使って TDB/CTDBデータベースを読み書きするために使われる。

以下のデータベース操作が可能である:

  • fetch: レコードのフェッチ

  • store: レコードの作成と変更

  • delete: レコードの削除

  • erase: すべてのレコードの削除

  • listkeys: すべての有効なレコードの一覧表示

  • listwatchers: レコード中で変更を待っているプロセスのリスト

以下の型が有効である:

  • int32: 符号つき32ビット整数

  • uint32: 符号なし32ビット整数

  • string: "hello world"

  • hex: "68656C6C6F20776F726C6400" ("hello world")のような16進文字列

オプション

-d|--debuglevel=level

level は0から10までの整数値である。 既定値の値は、パラメーターが設定されていなければ1である。

この値を大きくするほど、サーバーの動作に関するより詳細な情報が ログファイルに記録される。レベル 0 では、致命的なエラーと重大な警告 のみが記録される。レベル 1 は日々の運用に適しており、少量の稼働状況 に関する情報を生成する。

1 より上のレベルは大量のログが生成されるので、問題解決の時にのみ 使用すべきである。 3 より上のレベルは開発者だけが利用するように設計されて おり、莫大な量のログデータが生成される。そのほとんどは非常に謎めいた内容 となっている

このパラメーターの指定は、smb.confファイル中の、 log level パラメーターの 指定よりも優先する。

-V

プログラムのバージョン番号を表示する。

-s <configuration file>

サーバーが必要とする詳細な設定を含む設定ファイルを 指定する。このファイルには、サーバーが提供するサービスに関する記述や、 どの printcap ファイルを利用するかといった情報が含まれている。詳細は smb.conf を参照のこと。設定ファイルの名前の既定値は、コンパイル時 に決定される。

-l|--log-basename=logdirectory

ログ/デバッグファイルのファイル名。拡張子として ".progname" が追加される(例えば log.smbclient, log.smbd,など)。ログファイルはクライアントによって削除されることはない。

-?|--help

コマンドラインオプションの要約を表示する。

コマンド

fetch

dbwrap_tool <database> fetch <key> <type>

store

dbwrap_tool <database> store <key> <type> <value>

delete

dbwrap_tool <database> delete <key>

erase

dbwrap_tool <database> erase

listkeys

dbwrap_tool <database> listkeys

listwatchers

dbwrap_tool <database> listwatchers

使用例

winbindd_idmap.tdb からすべてのキーを表示する。

dbwrap_tool winbindd_idmap.tdb listkeys

uint32 として、キー "USER HWM" でレコードをフェッチする。

dbwrap_tool winbindd_idmap.tdb fetch "USER HWM" uint32

"USER HWM" というキーでレコードを削除する。

dbwrap_tool winbindd_idmap.tdb remove "USER HWM"

レコード "USER HWM" を値 214 で上書きし、格納する。

uint32: dbwrap_tool winbindd_idmap.tdb store "USER HWM" uint32 214

hex: dbwrap_tool winbindd_idmap.tdb store "USER HWM" hex D6000000

注意

慎重に使うこと!

バージョン

このマニュアルページは、バージョン3(訳注 4?)のSambaシステム用である。

参照

smbd(8), samba(7)

著者

オリジナルの Samba ソフトウェアと関連ユーティリティは、Andrew Tridgell によって作成された。現在 Samba は、Samba Team によって Linux カーネルの開発と同様に、オープンソースプロジェクトとして開発されている。

dbwrap_tool マニュアルページは、Bjoern Baumbach によって書かれた。

日本語訳

このマニュアルページは 4.0.3 に対応する。

このドキュメントの Samba 4.0.3 対応の翻訳は

太田俊哉 (ribbon@samba.gr.jp)

    によって行なわれた。