Name

smbtree — テキストベースの SMB ネットワークブラウザー

Synopsis

smbtree [-b] [-D] [-S]

説明

このツールは、Samba(7)システムの一部である。

smbtree はテキストモードの SMB ネットワークブラウザーである。 Windows にある「ネットワークコンピューター」あるいは「マイネットワーク」 と類似の機能を持ち、 既知のドメイン、そのドメインに属するサーバー、 そしてサーバー上の共有のすべてをツリーで表示する。

オプション

-b

マスターブラウザーに問い合わせるのではなく、ネットワーク ノードにブロードキャストを送信することで問い合わせる。

-D

ブロードキャストあるいはマスターブラウザーから得たドメインの一覧だけを表示する。

-S

ブロードキャストあるいはマスターブラウザーから得たドメインと応答したサーバーの一覧だけを表示する。

-d|--debuglevel=level

level は0から10までの整数値である。 既定値の値は、パラメーターが設定されていなければ0である。

この値を大きくするほど、サーバーの動作に関するより詳細な情報が ログファイルに記録される。レベル 0 では、致命的なエラーと重大な警告 のみが記録される。レベル 1 は日々の運用に適しており、少量の稼働状況 に関する情報を生成する。

1 より上のレベルは大量のログが生成されるので、問題解決の時にのみ 使用すべきである。 3 より上のレベルは開発者だけが利用するように設計されて おり、莫大な量のログデータが生成される。そのほとんどは非常に謎めいた内容 となっている

このパラメーターの指定は、smb.conf ファイル中の、 log level パラメーターの指定よりも優先する。

-V

プログラムのバージョン番号を表示する。

-s <configuration file>

サーバーが必要とする詳細な設定を含む設定ファイルを 指定する。このファイルには、サーバーが提供するサービスに関する記述や、 どの printcap ファイルを利用するかといった情報が含まれている。詳細は smb.conf を参照のこと。設定ファイルの名前の既定値は、コンパイル時 に決定される。

-l|--log-basename=logdirectory

ログ/デバッグファイルのファイル名。拡張子として ".progname" が追加される(例えば log.smbclient, log.smbd,など)。ログファイルはクライアントによって削除されることはない。

-N

このオプションを指定すると、クライアントはユーザーへの パスワード入力要求をしなくなる。パスワードが必要ないサービスにアクセスする ときに有用である。

コマンドラインにパスワードが指定されておらず、このオプションも指定 されていないと、クライアントはパスワードを要求する。

もしも、パスワードがコマンドライン上で指定され、このオプションも 定義されていた場合、コマンドライン上のパスワードは無視され、パスワードは 使われない。

-k

Kerberos による認証を試みる。アクティブディレクトリ環境でのみ有効である。

-A|--authentication-file=filename

このオプションは、指定したファイルから、接続に使用する ユーザー名とパスワードを読み込むために使用する。ファイルの形式は次の通り:

username = <value>
password = <value>
domain   = <value>

ファイルのパーミッションを確認し、ほかのユーザーから参照されない ように注意すること。

-U|--user=username[%password]

SMB のユーザー名、またはユーザー名とパスワードを指定する。

もしも %password を指定しないと、ユーザーにパスワードの入力を求める。 クライアントはまず初めにUSERLOGNAMEの順に 環境変数の存在を調べ、もしもどちらかが存在するならば、その文字列を大文字にする。 環境変数が存在しない場合、ユーザー名としてGUESTが用いられる。

このほかに、平文のユーザー名とパスワードを記述した認証ファイルを使用する オプションがある。このオプションは主にスクリプト向けに用意されており、認証情報を コマンドラインや環境変数に含めたくない場合に有用である。このオプションを利用する ときは、ファイルのパーミッションを確認し、ほかのユーザーから参照されないように 注意すること。詳細は-Aオプションを参照のこと。

パスワードをスクリプトに含める場合は注意すること。多くのシステムでは、実行 中のプロセスのコマンドラインはpsコマンドで参照することが できてしまう。安全のため、必ず、rpcclientを使用して、 パスワード入力を要求し、直接入力するようにしておくこと。

-?|--help

コマンドラインオプションの要約を表示する。

バージョン

このマニュアルページは、Samba スイートのバージョン 3用である。

著者

オリジナルの Samba ソフトウェアと関連するユーティリティは、 Andrew Tridgell によって作られた。 Samba は現在、Linux カーネルが開発されているような方法でのオープンソースプロジェクトである Samba Team によって開発されている。

smbtree のマニュアルページは Jelmer Vernooij により書かれた。

日本語訳

このマニュアルページは Samba 3.2.4 - 4.0.14 に対応する。

このドキュメントの Samba 3.0.0 - 4.0.14 対応の翻訳は さとうふみやすによって行なわれた。