名前

vfs_media_harmony — 複数の Avid クライアントがネットワークドライブを共有することを可能にする。

書式

vfs objects = media_harmony

説明

この VFS モジュールは samba(7) システム用である。

vfs_media_harmony VFS モジュールは、 Avid editorial workstation がネットワークドライブを共有できるようにする。 これは以下の方法で行う。

  1. 各クライアント用に Avid msmMMOB.mdb ファイルと msmFMID.pmr ファイルのコピーを与え、ディレクトリを作成する。

  2. Avid アプリケーションが Avid メディアディレクトリの書き込み時刻 を参照するため、各クライアントに対して明示的に、その書き込み時刻を制御できるよう にしておく。

このモジュールはスタック可能である。

設定

vfs_media_harmony は、Avid データベースファイルに 対しての、あるいはクライアントごとのファイルを収容する Avid 生成ディレクトリ に対してのクライアントからの要求を、自動的にリダイレクトする。 この機能部分を動作させるには、モジュールを有効に設定するだけでよい。

Mac と Windows の Avid クライアントが同じフォルダーにアクセスする場合は、 別々に共有定義を行う必要がある。そして Windows の共有では Mac の隠しファイル を拒否(veto)設定する必要がある。使用例を参照のこと。

Avid アプリケーションが個々の Avid データベースのリフレッシュを行えるように する必要がある。各クライアントがこれを制御できるように、各クライアント用のファイル を生成するとともに、[avid_dir_name]_[client_ip_address]_[client_username] という 名前の Avid メディアディレクトリを生成する。Avid データベースをリフレッシュするには、 関連するファイルの書き込み時刻を更新する。使用例を参照のこと。

また cache locked write times = no を設定すること も必要である。これによりクライアントは、Avid メディアフォルダーの書き込み 時刻を制御できるようになる。

使用例

Mac と Windows の両クライアント向けに media_harmony を有効にする。

        [avid_mac]
	path = /avid
	vfs objects = media_harmony
	cache locked write times = no
        [avid_win]
	path = /avid
	vfs objects = media_harmony
	cache locked write times = no
	veto files = /.DS_Store/._@/.Trash@/.Spotlight@/.hidden/.hotfiles@/.vol/
	delete veto files = yes

ユーザー david と susan が、それぞれの Avid データベースに対する リフレッシュを制御できるように、ファイルを生成する。

	touch '/avid/OMFI MediaFiles_192.168.1.10_david' \
		'/avid/OMFI MediaFiles_192.168.1.11_susan' \
		'/avid/Avid MediaFiles/MXF/1_192.168.1.10_david' \
		'/avid/Avid MediaFiles/MXF/1_192.168.1.11_susan'

ユーザー david 用の Avid データベースをリフレッシュする。

	touch '/avid/OMFI MediaFiles_192.168.1.10_david' \
		'/avid/Avid MediaFiles/MXF/1_192.168.1.10_david'

多数の Avid メディアフォルダーを管理する必要がある場合、各エディター において examples/scripts/vfs/media_harmony/trigger_avid_update.py を 適切に修正することで、関連ファイルの生成や更新を行うことができる。

警告

vfs_media_harmony は Avid 編集アプリケーション とともに動作するものとして設計されており、そのアプリケーションは Avid メディアファイルや OMFI メディアファイルディレクトリを参照する。 どのような状況でも動作するような一般的な設計になっているわけではない。 たとえば、クライアント用の msmMMOB.mdb_192.168.1.10_userx といったファイル をオープンすることはできるが、ディレクトリ一覧中には表示されない。

バージョン

このマニュアルページは Samba バージョン 4.11.2 用である。

著者

オリジナルの Samba ソフトウェアと関連するユーティリティは、Andrew Tridgell によって作成された。現在 Samba は Samba Team に よって、Linux カーネルの開発と同様のオープンソースプロジェクト として開発が行なわれている。

日本語訳

このマニュアルページは Samba 4.0.6 - 4.11.1 に対応する。

このドキュメントの Samba 4.0.0 - 4.6.6 対応の翻訳は

  • 太田俊哉 (ribbon@samba.gr.jp)

によって行なわれた。

このドキュメントの Samba 4.7.0 - 4.11.1 対応の翻訳は

  • 太田俊哉 (ribbon@samba.gr.jp)

  • matsuand(michio_matsuyama@yahoo.co.jp)

によって行なわれた。