名前

vfs_tsmsm — Tivoli Storage Manager Space Management におけるオフラインファイルを取り扱う VFS モジュール。

書式

vfs objects = tsmsm

説明

この VFS モジュールは samba(7) システムの一部である。

tsmsm VFS モジュールは Tivoli Storage Manager Space Management におけるオフラインファイルを取り扱う 拡張モジュールである。

このモジュールは、ヒューリスティック手法を用いることで、処理コストの高い DMAPI 呼び出しをできるだけ行わないようにしている。このヒューリスティック 手法とは、ファイルのブロック数として取得されている値に 512 をかけたものが、 (マイグレートされていない)オンラインファイルの実サイズに 'オンライン割合' をかけた値よりも大きくなるという事実に基づいている。 このヒューリスティックなチェックが失敗した場合は DMAPI 呼び出しが行われ、 (マイグレードされた)オフラインファイルが保持する特定の属性を問い合わせる。 そしてその属性が存在していたら、オフラインファイルとして扱う。

このモジュールはスタックできない。

オプション

tsmsm:hsm script = [ hsm スクリプトへのパス ]

hsm スクリプトには、2 つの引数 operation、filepath を取る ようなシェルスクリプトを指定する。tsmsm モジュールにおいては "offline" 処理のみが行われ、filepath 配下のファイルはオフライン に設定される。

tsmsm:online ratio = [ 数値 ]

実際のファイルサイズに対して、取得されているサイズをチェックするための割合。 既定値は 0.5 である。

tsmsm:dmapi attribute = [ 属性名 ]

ファイルがオフラインであるときに存在する DMAPI 属性名。 既定値は "IBMobj"(GPFS が使うものである)。

tsmsm:dmapi value = [ DMAPI 属性の値 ]

ファイルをオフラインとして扱うために DMAPI 属性に設定されているべき値。 既定値は空(値を指定しない)。

使用例

以下のようにすることで、TSM サポート付きの GPFS マウントは、Samba 経由でエクスポートできる。

        [gpfs_tsm_share]
	vfs objects = tsmsm gpfs
	path = /test/gpfs_mount

バージョン

このマニュアルは Samba バージョン 4.13.2 用である。

著者

オリジナルの Samba ソフトウェアと関連するユーティリティは、Andrew Tridgell によって作成された。現在 Samba は Samba Team に よって、Linux カーネルの開発と同様のオープンソースプロジェクト として開発が行なわれている。

日本語訳

このドキュメントは、Samba 4.0.3 - 4.13.2 に対応する。

このドキュメントの翻訳は

  • 太田俊哉 (ribbon@samba.gr.jp)

  • matsuand(michio_matsuyama@yahoo.co.jp)

によって行なわれた。