名前

vfs_btrfs — Btrfs ファイルシステムで提供される機能の利用

書式

vfs objects = btrfs

説明

この VFS モジュールは、 samba(8)システムの一部である。

vfs_btrfs VFS モジュールは、 Btrfs 固有の機能を Samba によって使用可能とする。

Btrfs では、 clone range を使用することで、複数のファイルがディスク 上の同じデータを共有することが可能となる。 SMB クライアントが重複 データをコピーするリクエストを (FSCTL_SRV_COPYCHUNK により) 発行する と、このモジュールは、そのリクエストを従来のコピー処理で必要とされる 読み取りと書き込みの実行に変換する代わりに、 Btrfs の clone range IOCTL に変換する。 これによりディスク容量を節約するとともに、ディスク I/O を劇的に低減する。

このモジュールはまた、get/set 圧縮 fsctl() 経由で、SMBクライアントへ、 Btrfs ファイル単位圧縮機能を提供する。

Btrfs スナップショットは Samba の FSRVP サーバによって操作出来る。 このモジュールを使うスナップショット操作は現在実験的な位置づけであり、 そのため、既定値では無効になっている。この目的のためには、 代替として、vfs_snapperモジュールを使う事を推奨する。

このモジュールはスタック可能である。

オプション

btrfs: manipulate snapshots = [yes|no]

yesに設定する場合、対応する Btrfs IOCTL 経由による、実験的なスナップショットの作成と削除サポート が有効になる。既定値はnoで、これは、 そのような要求は、他の、下位にある VFS モジュールにパススルー されることを意味する。

設定

vfs_btrfs を使用する際は、共有のパスが Btrfs サブボリューム上に存在している必要がある。

		[share]
		vfs objects = btrfs
		btrfs: manipulate snapshots = no
	

このモジュールで提供される、実験的なスナップショット操作機能を使うために、 これを明確に有効にし、Samba の FSRVP サーバを動かさなければならない。

vfs_shadow_copyモジュールは、vfs_btrfs によって作成されたスナップショットを、Windows エクスプローラで、 ファイルまたはディレクトリに対し、「以前のバージョン」という形で見せるのに 使う事ができる。

	  [global]
	  rpc_daemon:fssd = fork
	  registry shares = yes
	  include = registry

	  [share]
	  vfs objects = btrfs shadow_copy
	  btrfs: manipulate snapshots = yes
	  
	

バージョン

このマニュアルページは Samba バージョン 4.14.5 用である。

著者

オリジナルの Samba ソフトウェアと関連するユーティリティは、Andrew Tridgell によって作成された。現在 Samba は Samba Team に よって、Linuxカーネルの開発と同様のオープンソースプロジェクト として開発が行なわれている。

日本語訳

このドキュメントは、Samba 4.3.0 - 4.14.5 に対応する。

このドキュメントの翻訳は

  • 太田俊哉 (ribbon@ribbon.samba.gr.jp)

  • たかはしもとのぶ (monyo@samba.gr.jp)

によって行なわれた。