名前

vfs_catia — Catia ファイル名で無効な文字を変換する

書式

vfs objects = catia

説明

この VFS モジュールは samba(7) システムの一部である。

Catia CAD パッケージは、 CIFS ファイルシステムで使用できない文字を 使用したファイル名を頻繁に作成する。 vfs_catia VFS モジュールは、これを CIFS クライアントからアクセスできるように文字マッピングを行う。

このモジュールはスタック可能である。

catia:mappings パラメーターは、以下で説明するように、文字単位の マッピングを指定する。

オプション

catia:mappings = SERVER_HEX_CHAR:CLIENT_HEX_CHAR

SERVER_HEX_CHAR は、 0x というプレフィックスを付加した 16 進数の 文字コードであり、これが Samba サーバー上のファイル名に含まれている 場合、 CIFS クライアントに対しては、CLIENT_HEX_CHAR にマッピングされる。

同様のマッピングが反対方向に対しても行われる。 複数の文字のマッピングはカンマ区切りで指定する。

使用例

[CAD] 共有内のファイル名にある、クォーテーションマーク(")を、 クライアントに対しては diaeresis 文字(¨)にマッピングする。

        [CAD]
	path = /data/cad
	vfs objects = catia
	catia:mappings = 0x22:0xa8

通常使用される Catia ファイル名に含まれる文字を包括的にマッピングする。

        [CAD]
	path = /data/cad
	vfs objects = catia
	catia:mappings = 0x22:0xa8,0x2a:0xa4,0x2f:0xf8,0x3a:0xf7,0x3c:0xab,0x3e:0xbb,0x3f:0xbf,0x5c:0xff,0x7c:0xa6

マッピングされるサーバー上のファイル名(パスを意味する / は使われて いない点に注意)

a\a:a*a?a"a<a>a|a

最終的にクライアント上で表示されるファイル名:

aÿa÷a¤a¿a¨a«a»a¦a

注意

文字のマッピングは、ファイル名に対応するファイルの存在と一意性を担保する ために、双方向(サーバーからクライアント、クライアントからサーバー)に 機能する必要がある。

機能しない例を以下に示す。

        [CAD]
	path = /data/cad
	vfs objects = catia
	catia:mappings = 0x3a:0x5f

この場合、コロン(:)が下線(_)にマッピングされる。

サーバー上で a:should_work というファイル名のファイルは、クライアント上 では、 a_should_work にマッピングされる。

しかし、クライアント上の a_should_work というファイル名を逆方向に マッピングすると、結果は a:should:work となってしまう。このため、 サーバーからは file not found といたエラーが返却されてしまうことになる。

バージョン

このマニュアルは、Samba バージョン 4.14.5 用である。

著者

オリジナルの Samba ソフトウェアと関連するユーティリティは、Andrew Tridgell によって作成された。現在 Samba は Samba Team に よって、Linuxカーネルの開発と同様のオープンソースプロジェクト として開発が行なわれている。

新しいバージョンは、Guenter Kukkukk kukks@samba.org によって書かれた。

日本語訳

このマニュアルページは、Samba 4.1.0 - 4.14.5 に対応する。

このドキュメントの翻訳は

  • 平田祥司 (shouji@microft.co.jp)

  • 太田俊哉 (ribbon@samba.gr.jp)

  • たかはしもとのぶ (monyo@samba.gr.jp)

によって行なわれた。