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winexe — リモートでWindowsのコマンドを実行するツール Winexe

Synopsis

winexe [-h] [-V] [-U [DOMAIN/]USERNAME[%PASSWORD]] [-A FILE] [-N] [-k] [-d DEBUGLEVEL] [--uninstall] [--reinstall] [--runas [DOMAIN/]USERNAME[%PASSWORD]] [--runas-file FILE] [--interactive [0|1]] [--ostype [0|1]]

説明

このプログラムは、samba(7)システムの一部である。

winexeは、リモートにある実際の Windows OS 上でコマンドを 実行させる。

オプション

-?|--help

コマンドラインオプションの要約を表示する。

-V|--version

プログラムのバージョン番号を表示する。

-U|--user=username[%password]

SMB のユーザー名、またはユーザー名とパスワードを指定する。

もしも %password を指定しないと、ユーザーにパスワードの入力を求める。 クライアントはまず初めにUSERLOGNAMEの順に 環境変数の存在を調べ、もしもどちらかが存在するならば、その文字列を大文字にする。 環境変数が存在しない場合、ユーザー名としてGUESTが用いられる。

このほかに、平文のユーザー名とパスワードを記述した認証ファイルを使用する オプションがある。このオプションは主にスクリプト向けに用意されており、認証情報を コマンドラインや環境変数に含めたくない場合に有用である。このオプションを利用する ときは、ファイルのパーミッションを確認し、ほかのユーザーから参照されないように 注意すること。詳細は-Aオプションを参照のこと。

パスワードをスクリプトに含める場合は注意すること。多くのシステムでは、実行 中のプロセスのコマンドラインはpsコマンドで参照することが できてしまう。安全のため、必ず、rpcclientを使用して、 パスワード入力を要求し、直接入力するようにしておくこと。

-A|--authentication-file=filename

このオプションは、指定したファイルから、接続に使用する ユーザー名とパスワードを読み込むために使用する。ファイルの形式は次の通り:

username = <value>
password = <value>
domain   = <value>

ファイルのパーミッションを確認し、ほかのユーザーから参照されない ように注意すること。

-N|--no-pass

このオプションを指定すると、クライアントはユーザーへの パスワード入力要求をしなくなる。パスワードが必要ないサービスにアクセスする ときに有用である。

コマンドラインにパスワードが指定されておらず、このオプションも指定 されていないと、クライアントはパスワードを要求する。

もしも、パスワードがコマンドライン上で指定され、このオプションも 定義されていた場合、コマンドライン上のパスワードは無視され、パスワードは 使われない。

-k|--kerberos

Kerberos による認証を試みる。アクティブディレクトリ環境でのみ有効である。

-d|--debuglevel=level

level は0から10までの整数値である。 既定値の値は、パラメーターが設定されていなければ1である。

この値を大きくするほど、サーバーの動作に関するより詳細な情報が ログファイルに記録される。レベル 0 では、致命的なエラーと重大な警告 のみが記録される。レベル 1 は日々の運用に適しており、少量の稼働状況 に関する情報を生成する。

1 より上のレベルは大量のログが生成されるので、問題解決の時にのみ 使用すべきである。 3 より上のレベルは開発者だけが利用するように設計されて おり、莫大な量のログデータが生成される。そのほとんどは非常に謎めいた内容 となっている

このパラメーターの指定は、smb.confファイル中の、 log level パラメーターの 指定よりも優先する事に注意。

--uninstall

リモート実行後に winexe サービスをアンインストールする。

--reinstall

リモート実行前に winexe サービスを再インストールする。

--runas [DOMAIN/]USERNAME[%PASSWORD]]

指定されたユーザで実行する(注意:ネットワーク越しに平文でパスワードが送られる!)

--runas-file FILE

ファイル中で定義されたユーザオプションで実行する。

--interactive [0|1]

デスクトップ操作。

2つのオプションがある:

  • 0 - 無効

  • 1 - 有効。有効の場合、--system スイッチも使う(Windows の要求)。Vistaはこのオプションをサポートしない。

--ostype [0|1|2]

インストールされるサービスのバージョン (32-bit 又は 64-bit) を指定する。

3つのオプションがある:

  • 0 - 32-bit

  • 1 - 64-bit

  • 2 - winexe が決定

終了ステータス

winexe プログラムは動作が正常に終了したときに 0 を返し、 動作が失敗したときには 1 を返す。

バージョン

このマニュアルは、Samba バージョン 4.14.5 用である。

著者

オリジナルの Samba ソフトウェアと関連ユーティリティは、Andrew Tridgell によって作成された。現在 Samba は、Samba Team によって Linux カーネルの開発と同様に、オープンソースプロジェクトとして開発されている。

winexe とネイティブな Windows 対応部分は Andrzej Hajda によって作成された。 Samba クライアントツール winexe はのちに Volker Lendecke によって書き直された。

このマニュアルページは Guenther Deschner によって書かれた。

日本語訳

このマニュアルページは Samba 4.13.0 - 4.14.5 に対応する。

このドキュメントの Samba 4.13.0 - 4.14.5 対応の翻訳は 太田俊哉(ribbon@samba.gr.jp)によって行われた。