目次
この章では、Sambaメーリングリストの投稿者による、個人的な経験と知識に由来する知識の 現状について要約する。投稿された情報を再構築する前に、すべての効果に、与えられた情報 を検証することが行われた。この検証を通じては、追加の情報はカバーされていないので、 それも提供している。
Microsoft Windows NT 3.5が発表された時、ホットな新しい話題は、ユーザーとグループに対する グループポリシーの実装であった。次にMicrosoft Windows NT4が来て、いくつかのサイトがこの 機能を適用し始めた。どうやって知ったかって?数多くの「ドジな」(あるいは 間違った)管理者はそれを行い、解決のために助けを求めたからである。
Windows 2000とActive Directoryがリリースを待っている間、管理者はグループポリシーは すばらしいというメッセージを聞かされ続けた。グループポリシーにより管理コストの低減が 可能となり、確かに利用者にとってありがたい点もある。しかし、Windows 200xの Active Directory と GPO によるユーザーとコンピューター管理機能の活用は遅々として 進まなかった。これは、2000年から2001年にかけてのSambaメーリングリストにおける 過去ログにおいて、GPOに関連した投稿や、GPOをSambaの環境でどのように複製するのかと いった投稿がほとんどなかったことからも明らかであった。
トラフィック量から判断すると、2002年中盤以降は、GPO は多くのサイトでデプロイメント(運用) の一部として普通に用いられるようになった。 本章では、ユーザーのデスクトップとネットワーク上のクライアントワークステーションの 自動制御を可能とするために用いることが可能な、テクニックと方法についておさらいする (記載する)。
Microsoft Windowsプラットフォーム配下、特にMicrosoft NT4とMicrosoft Windows 95の リリースに従ったものは、ドメインコントローラーのNETLOGON共有中に配置できるタイプの ファイルを作成することが可能である。クライアントがネットワークにログオンすると、 このファイルは読み取られ、その内容で、クライアントマシンのレジストリの変更を開始する。 このファイルはユーザー、ユーザーのグループかマシンに影響するレジストリを変更させる ことを許可する。
Microsoft Windows 9x/Meようには、このファイルはConfig.POL
と
しなければならず、ポリシーエディターとしてよく知られている
poledit.exe
というツールを使って作成できる。ポリシーエディターは
Windows 98インストール用CD-ROMで提供されているが、Microsoft Windows Meでは提供
されなくなった。Microsoft Windowsネットワーク管理者からのコメントによると、
これはMicrosoft Windows Me リソースキットに含まれるようになったとのこと。
Microsoft Windows NT4サーバー製品には、
配下に
システムポリシーエディターが含まれている。
Microsoft Windows NT4とその後のクライアント用に、このファイルは
NTConfig.POL
という名前にしなければならない。
Microsoft Windows 2000からは、Microsoft管理コンソールすなわちMMCが新たに導入された。 このツールは、ネットワークアクセスとセキュリティ管理方法に対して、永遠に 止めることのないマイクロソフト社の歩みの中から生まれた新しい潮流である。 マイクロソフト社の新製品や新技術が登場するたびに、以前の常識が覆され、複雑化したツールと 方法が新たに生み出されるように見える。 マイクロソフト社の立場からすると、MMCは進歩である。しかし、機能の進歩には 大きな代償が伴っているのだ。
ネットワークとシステムポリシーの設定に着手する前に、 Implementing Profiles and Policies in Windows NT 4.0 という、MicrosoftのWebサイトで提供されている文書を読むことを強く推奨する(訳注:現存しない)。 これらは、四で理解すべきである、古いものに対する大量の追加文書である。 「グループポリシー」をMicrosoftのWebサイト上で探してみること。
以下で説明するものは、いくつかの有用な注意事項に関する短い議論である。ここで提供される 情報は不完全であることを警告する。
Windows 9x/Meは以下でWindows 98のグループポリシーエディターを使ってグループ
プロファイルを作成する必要があるとする。これはオリジナルの完全なWindows 98
インストールCD-ROM配下のtools\reskit\netadmin\poledit
ディレクトリ中にある。プログラムの追加と削除機能を使ってこれをインストールし、
次に、Have Diskをクリックする。
ユーザーポリシーまたはマイドキュメント
などの位置を指定する
ポリシーファイルを作成するために、グループポリシーエディターを使う。次に、
[NETLOGON]
共有のrootに配置する必要がある、
Config.POL
というファイルにこれらの設定をセーブする。
もしもWindows98がSambaドメインにログオンするように設定されていたならば、これは
自動的にこのファイルを読み、ログオンしようとするマシンの、Windows 9x/Me
レジストリを更新する。
さらなる詳細はWindows98リソースキットの文書中で説明されている。
もしも、正しい手順を踏まない場合、時々Windows 9x/Meはレジストリの正当性を検査し、 各Windows 9x/Meマシンに格納されているレジストリのバックアップコピーから、その 設定をリストアする。そのため、時々、オリジナルの設定に戻ってしまうと言うことに 気がつくだろう。
グループポリシーを適用するために、Windows 9x/Me用のグループポリシーハンドラーを
インストールする。Windows 98 CD-ROMの
\tools\reskit\netadmin\poledit
を参照。
grouppol.inf
をダブルクリックして、Windows 9x/Meにグループ
ポリシーをインストールする。不幸にも、これはグループポリシーを使うWindows 98/Me
マシンすべてで行う必要がある。
ntconfig.pol
を作成あるいは編集するために、NT4サーバーには
同梱されているが、NTワークステーションには含まれていない、
poledit.exe
というNTサーバーポリシーエディターを使う必要がある。
NT4ワークステーションにもポリシーエディターはあるが、ドメインポリシーを作成する
のには適していない。さらに、Windows 95のポリシーエディターはNT4ワークステーション
あるいはサーバーにインストールできるが、NTクライアントではこれは動作しない。
しかし、NTサーバーからのファイルはNT4ワークステーション上でも問題なく動く。
poledit.exe
, common.adm
と
winnt.adm
を必要とする。2つの*.adm
ファイルをc:\winnt\inf
に配置するのは、プログラムが他の場所を
指定されない限り既定値で探しに行く場所であるので、都合がよい。このディレクトリは
通常「hidden」である。
Windows NTポリシーエディターは、Windows NT4.0のサービスパック3(とそれ以降)にも
同梱されている。servicepackname /x
を使ってファイルを
解凍する。たとえばサービスパック6aではNt4sp6ai.exe /x
である。ポリシーエディターpoledit.exe
と関連するテンプレート
ファイル (*.adm)が解凍される。office97用のテンプレートファイルとポリシーエディターの
コピーをダウンロードすることも可能である。他の場所としては、Microsoftから
ダウンロードできるZero Administration Kitがあげられる。
Windows NTpシステムポリシーは、NT4形式のドメイン中のメンバーである、ユーザー、 グループとコンピューター(クライアントワークステーション)に指定するレジストリ パラメーターの設定が出来る。このようなポリシーファイルはMicrosoft Windows 200x/XP でも動作する。
Microsoft Windows 2000では、最近新たにNT4形式のポリシーと比べて上位互換の機能を 提供する、形式のグループポリシーを導入した。もちろん、ポリシーを作るツールは 異なり、それを実装するメカニズムはもっと改良されている。
古いNT4形式のレジストリベースポリシーは、Microsoft Windows 2000/XP GPO中では
管理用テンプレート(Administrative Templates)として
知られている。前者は種々のセキュリティ設定の設定機能、インターネット
エクスプローラーの設定の強制、ユーザーデスクトップ(スタートメニュー中に現れる
メニュー項目に設定されるのと同じようなマイドキュメント
ファイルの配置を含む)の変更と外観の切り替え(redirect)を含む。
追加の新しい機能は、特定のWindowsアプリケーションソフトを特定のユーザー/グループに
有効化する事を行うことである。
思い出してほしいが、NT4のポリシーファイルはNTConfig.POL
という名前で、ドメインコントローラー上のNETLOGON共有のルートに格納される。Windows NT4
ユーザーはユーザー名とパスワードを入力し、ログオンを行うドメイン名を選択する。ログオン
プロセス処理の間、クライアントマシンは、認証サーバー上のNETLOGON共有から
NTConfig.POL
を読み、このファイル中にある設定に従い、ローカルの
レジストリ値を変更する。
Windows 200x GPOは機能がたくさんある。これらは、NETLOGON共有には格納されないが、 一部はActive Directoryそれ自身にWindows200x ポリシーファイルとして格納され、 残りはSYSVOLフォルダーと呼ばれる共有(かつ複製される)ボリューム中に格納される。 このフォルダーはすべてのActive Directoryドメインコントローラー上に存在する。 Active Directoryそれ自身に格納される部分は、グループポリシーコンテナー(GPC)と 呼ばれ、SYSVOLと呼ばれる複製された共有中に格納されるものは、グループポリシー テンプレート(GPT)として知られる。
NT4クライアントでは、ポリシーファイルは読み取られるが、各ユーザーがネットワークに ログオンする時のみ実行される。Microsoft Windows 200xポリシーは、もっと 複雑である。GPOはクライアントマシン起動時(マシン固有の部分)で処理、 適用され、ユーザーがネットワークにログオンする時、ユーザー個別の部分が適用される。 Microsoft Windows 200x形式のポリシー管理では、各マシンあるいはユーザーは、 限りなく多くの、同時に適用可能な(かつ、適用される)ポリシーセット(GPO)の適用を 受けるかもしれない。NT4形式のポリシーファイルでは、これと同様の能力をもつものは 存在しない。
システムポリシーエディターというツールを使う代わりに、
通常はPoledit(バイナリファイルはpoledit.exe
)を使い、
以下のように、
Microsoftマネジメントコンソール(MMC)
スナップインを使って、GPOsの作成と管理を行う:
すべてのポリシー設定オプションはポリシー管理テンプレートを使用する ことによって制御される。NT4と同様Windows 200xでも、これらのファイルは 拡張子として.admを使う。しかしながら、.admファイルはNT4とWindows 200x 間で相互交換可能ではないことに注意。後者は拡張された定義を行えるような たくさんの新しい機能を導入している。どのように.admファイルをプログラム するかについて説明することは、この文書の範囲外である。それについては、 使用しているMicrosoft Windowsの、特定のバージョンに対する Microsoft Windowsリソースキットを参照のこと。
Microsoft Windows 2000リソースキットには、gpolmig.exe
というツールが入っている。このツールはNT4のNTConfig.POL
ファイルをWindows 200x形式のGPOに変換するのに使える。どのようにこの強力な
ツールを使うかについては十分に注意すること。特定の使用に関する情報については、
リソースキットのマニュアルを参照してほしい。
過去一年にわたって、Windows システムポリシーのための固有のテンプレートの 作成に関するいくつかの議論があった。Sambaメーリングリスト上での最近の 通知は言及に値する。
Mike Petersenは彼が作成したテンプレートファイルの有効性を通知した。この 固有のシステムポリシーエディターテンプレートは、SambaのようなSMBサーバーから Microsoft Windows ワークステーションを問題なく制御することができる。 このテンプレートは、いくつかのネットワーク上でテストされたが、 もしも、それらのポリシーについて何らかの問題を見つけたか、追加のポリシーに 関する何らかの案があったとしたら、mgpeter@pcc-services.comまでメールを 送って教えてほしい。このテンプレートはWindows XP用の数多くのポリシーを 含み、業務用の環境ではもっとよく動くようになっている。
さらなる情報については、 Petersen Computer Consulting Webサイトを参照してほしい。テンプレートファイルへの ダウンロードリンクがある。
ポリシーは、特定のユーザーの設定か、ユーザーのグループの設定を定義できる。結果のポリシー ファイルには、ポリシーファイルを使う、すべてのユーザー、グループとコンピューター用の レジストリ設定が含まれる。各ユーザー、グループあるいはコンピューター用にポリシーファイルを 分けることは不要である。
もしも、認証されたドメインコントローラーから自動的にダウンロードされるポリシーファイルを
作成したら、NTConfig.POL
と名前を付けるべきである。システム管理者には
ポリシーファイルの改名オプションがあり、Windows NTベースのワークステーションを
変更することで、マニュアルパス経由でポリシーファイルのするためにコンピューターを制御する。
手動でレジストリを変更するか、システムポリシーエディターを塚'ってこれを行うことが出来る。
これは、各マシンがその固有のポリシーファイルを持つようなローカルパスでも問題ないが、
もしも、すべてのマシンに対して変更が必要であれば、各ワークステーションに対して個別に
行わなければならない。
Windows NT4/200x/XPマシンがネットワークにログオンするとき、クライアントは、
NTConfig.POL
ファイルが存在するかどうかを、認証するドメイン
コントローラー上のNETLOGON共有中で捜す。もしも存在するならば、それをダウンロードし、
解析し、レジストリのユーザー部分に適用する。
Microsoft Windows Active DirectoryドメインにログオンするMicrosoft Windows 200x/XP
クライアントはActive Directoryそれ自身に定義され格納されるGPOを使って、さらに
ポリシーの設定を要求するかもしれない。ADのGPOを使う最も重要な利点は、
レジストリを汚染する効果がない言うことである。
これはNTConfig.POL
(NT4)形式のポリシー更新の使用と比較して
考慮すべき利点である。
さらに追加で、ユーザープロファイルと結合して動作する方法で、システムあるいは グループポリシー経由で、設定あるいは強制されるかもしれないアクセス制御の 追加においてMicrosoft Windows NT4/200x/XP下のユーザー管理環境は、ユーザー単位の アカウント制限が手cきょうされるのと同様に、ドメイン単位でもできる。 よく使われる共通の制限は以下のものがある:
ログオン時間
パスワードのエージング
特定のマシンからのログオンのみ許可
アカウントタイプ(ローカルまたはグローバル)
ユーザーの権限
Samba-3.0.20は、まだMicrosoft Windows NT4/200x/XPで共通なすべてのアカウント制御を実装
していない。Microsoft Windows NTp用のドメインユーザーマネージャを使って多くの制御を
設定する間、パスワード満了機能のみが現在使える。現時点で残りの制御の大半は、実際の
制御を提供するように、完了されるかもしれないダミーのルーチンである。NT4ドメイン
ユーザーマネージャを使うかNTConfig.POL
中でパラメーターが
設定できることから、誤解してはいけない。
グループポリシーを作成するか管理しようと思っている人は誰でも、いくつかのツールについて 慣れておく必要がある。以下の節では、余りメンテナンスをしないユーザー環境を作成するための 手助けとなる、主要なツールについて説明する。
editreg
と呼ばれる新しいツールが開発中である。このツールは、
ユーザーとグループプロファイル中に格納される(NTUser.DAT
と
呼ばれる)レジストリファイルを編集するのに使える。NTConfig.POL
ファイルはNTUser.DAT
ファイルと同じ構造を持ち、このツールを
使って編集できる。editreg
は、NTConfig.POL
ファイルをテキスト形式でセーブすることが出来るように意図し、拡張された機能を含む
新しいNTConfig.POL
ファイルを構築する事を出来るように作成されて
いる。この機能を実現するのは困難であることは分かっているので、もしもこの機能が
実現しなくとも驚かないでほしい。公に使える機能は、このツールの正式版がリリースされた
時に公開される。
以下は、システムの処理の順番と、システムの再起動とユーザーログオンの一部として処理される、 処理の順番を説明する試みである:
ネットワークが起動し、次にリモートプロシジャーコールシステムサービス(RPCSS)と multiple universal naming convention provider (MUP)が起動する。
Active Directory を使う場合、GPOの整列された一覧がダウンロードされて適用される。 リストは以下のGPOを含んでいても余韻
ディレクトリ中のマシンの配置を適用(Apply to the location of machines in a directory)。
設定が変更されたときのみ適用(Apply only when settings have changed)。
適用範囲の設定に依存:local,site,domain,organizational unitなど。
どのデスクトップユーザーインタフェースも、上記が処理されるまで提供されない。
スタートアップスクリプトの実行(既定値ではhiddenとsynchronous)。
ログオンを行うためのキーボード操作(Ctrl-Alt-Del)。
ユーザーの認証情報が検証され、ユーザープロファイルがロードされる(ポリシー設定に依存)。
ユーザーGPOの整列された一覧を入手する。一覧の内容は、以下の点で何が含まれているかに依存する:
ユーザーがドメインのメンバーか、結果、特別なポリシーの適用を受けるか?
Loopback enablement, and the state of the loopback policy (併合または置換)。
Active Directoryそれ自身の位置
GPOの一覧が変更されたか?もしも変更されていないならば、処理は不要である。
Active Directoryからのユーザーポリシーが適用される。注意:いくつか種類がある。
ログオンスクリプトが動く。Windows 200xとActive Directoryから新規に、ログオン スクリプトはGPOをベースにして得られるかもしれない(hiddenとsynchronouslyに実行)。 NT4形式のログオンスクリプトは通常のウィンドウで動作する。
GPOから決定されたユーザーインタフェースが提供される。注意:Sambaドメイン中では (NT4ドメインのように)、マシン(システム)ポリシーは起動時に適用される。 ユーザーポリシーはログオン時に適用される。
ポリシーに関連する問題は、診断するのがとても難しく、さらに修正するのがもっと難しい 可能性がある。以下の項目は、基本的な問題のみを示している。
「Config.POL
ファイルを作成し、NETLOGON
共有に置いた。が、Windows XP Proマシンでは、それが見えていないような感じで、何ら
違いがなかった。Windows 98では正しく動作したが、Windows XP Proにアップグレードして
からはもはや動かなくなった。何かヒントはないか?」
ポリシーファイルはWindows 9x/MeとMicrosoft Windows NT4/200x/XPベースのプラットフォーム
の間では互換性がない。NTConfig.POL
というファイルをNT4の
グループポリシーエディターで作成する必要があり、そうすると、Microsoft Windows XP Pro
クライアント用の正しい形式になる。