Samba 日本語版
従来のSamba 2.0.x日本語版の情報はこちらにあります。
Samba 2.2.x 日本語版
Samba2.2日本語版は、Samba2.2.xをベースに Samba 2.0 日本語版で実装された SWAT の国際化や日本語機能の細かい問題点の修正等の取り込みを行ったバージョンです。
関連するニュースリリースなど:
もご参照ください。
Samba 2.2.x 日本語版の特徴
主な特徴は以下の通りです。
- ドメインコントローラ機能の正式サポート
- Samba 2.0系列の時代からWindows95/98/Meクライアントに対する認証サーバ機能をサポートしていましたが、WindowsNTクライアントに対する認証は公式にサポートが表明されていませんでした。Samba 2.2系列ではWindowsNTクライアントに対する認証サーバ機能が正式にサポートされました。
- ドメインログオンを含むWindows 2000 / XP からの利用に対応
- Samba 2.0系列ではサポートされていなかったWindows 2000 / XPクライアントへの対応が行われています。
- WindowsとUNIX/Linuxのユーザ管理を統合するWinbindの提供
- Samba 2.2.2のWinbindの機能はWindows NT/2000サーバのリダイレクタの機能しか備えていませんが,Samba/Windows/Linuxユーザを全てWindows NT/2000サーバで認証させることができます。
- プリンタドライバ自動ダウンロード機能(Windows 9x/Me/NT/2000/XP対応)
- 従来のSamba 2.0系列で提供してきたプリンタ共有の機能は、Windows 9x互換のAPIを利用していたものだったため,Windows NT/2000に対してプリンタドライバの自動ダウンロード機能を提供できませんでした。
Samba 2.2系列ではWindows NT/2000に対するプリンタドライバの自動ダウンロードや、プリンタウィザードを利用したWindowsからのプリンタ共有管理が実現されています。
- 複数台のサーバを1台の仮想サーバに見せるMS-DFS(分散ファイルシステム)の(rootおよびtreeの)サポート
- Samba 2.0は、Windows2000のMS-DFS(分散ファイルシステム)のルートのサブツリーになることができましたが、Samba 2.2では、サブツリーだけでなく、MS-DFSルートになることができます。
日本語版独自の拡張機能は以下の通りです。
- Samba 2.0.10日本語版で実装されたリソース名に対する日本語サポート
(リソース名:ディレクトリ名、共有名、コンピュータ名、ユーザ名など)
- Samba 2.2.2日本語版での日本語対応状況を以下の表に示します。
| 最大長(バイト) | 日本語対応 | 半角カナ | 機種依存文字 | 空白を含む名前 |
ファイル名 | 255 | ○ | ○ | ● | ○ |
ディレクトリ名 | 255 | ○ | ○ | ● | ○ |
共有名 | 12 | ○ | ○ | × | × |
コンピュータ名 | 15 | ● | ▲ | × | × |
Windowsワークグループ名 | 15 | ▲ | ▲ | × | × |
Windowsドメイン名 | 15 | ▲ | ▲ | × | × |
説明(詳細/コメント) | 47 | ○ | ○ | ● | ○ |
ユーザー名 | 15 | ▲ | ▲ | ▲ | ● |
グループ名 | 20 | × | × | × | × |
パスワード | 14 | × | × | × | × |
赤字の●と▲はSamba 2.2.2英語版に対して日本語対応が独自に追加されている機能です。
- ファイル名/ディレクトリ名に対するWindows日本語機種依存文字のサポート
- ローマ数字や各種記号などの機種依存文字が利用可能になりました。
これまで、これらの文字の一部は Windows NTと Windows 95/98 の間で共有できない、サーバ側で文字化けを起こす、などの問題がありました。
従来サーバ側のコード(coding system)としてシフトJIS以外を使用した場合、Windowsの日本語機種依存文字が文字化けすることがありましたが、Samba 2.0.7日本語版リリース2.0から問題なく使用できるようになりました。(従来のリリースでは、コーディングシステムに SJIS, CAP, HEX を選ぶことで外字に対応していました)。
Samba 2.0.7日本語版リリース2.0から、新たな文字コードサポートとして、いわゆる3byte EUCおよびUTF-8に対応しております。(* 3byte EUCとは、JIS X0212の文字セットをEUCの第3面に割り当てたもので、3バイトの表現となります。この2つの文字コードセットは、ロケールとしてサポートされるプラットホームが限られます。詳細は各OSのマニュアルなどをご参照ください。) ただし、外字はその性格上、複数のクライアントで、おなじ字形を保証できませんので、ご注意下さい。
- SWAT(Samba Web管理ツール)の国際化
- HTTP/1.1(RFC2616)で定義されている Accept-Language ヘッダの機能を用いて SWAT が Web ブラウザに出力する言語を動的に変更する機能を組み込みました。
これにより、日本語ばかりでなく、ブラウザさえ対応していれば基本的にどんな言語でも表示させたり、表示を切替えたりできるようになりました。
Samba 2.0.7日本語版リリース2.0から、SWATの自動的に言語を切り替える機能の実装を、より移植性良くシンプルかつ堅牢なものとしました。その結果、前回のリリースによせられたプラットホームに依存して複雑な設定が必要なことがある問題を解決しました。
- 日本語ドキュメントの提供
- 英語以外の各国語のドキュメントを同梱して、SWAT から閲覧できるようにしています。
現在は、日本Sambaユーザ会で翻訳を行ったフルセットの日本語ドキュメントと、サブセットの韓国語、中国語のドキュメントが同梱されています。
Samba 2.0.7日本語版リリース2.0から、日本Sambaユーザ会ドキュメントMLの成果として、GPL2にて提供されており、オリジナル配布に含まれるO'Reillyの書籍「Using Samba」の邦訳(一部)が含まれます。
- 誤って削除してしまったファイルを復活できるゴミ箱機能
- 日本Sambaユーザ会のメーリングリストで希望の多かったゴミ箱パッチを日本語版へ独自に取り込んでいます。
これはユーザが誤って消してしまったファイルを復活できる機能で、Windows NT/2000サーバには標準で無い機能です。
本家Sambaチームは、OSのVFS(仮想ファイルシステム)レイヤーがゴミ箱機能を実装すべきで、Sambaが備えるべきではないという見解ですが、Linuxにはこうした機能が実装される予定は無く、ユーザの要望が強いため、日本Sambaユーザ会が独自に対応しました。
smb.confの「recycle bin」パラメータにゴミ箱フォルダを指定すると、クライアントからファイルが削除されても、実際には消さずにこのフォルダに移動されます。誤って消してしまった場合はこのフォルダから取り出せば復活できます。
なお、変更点の詳細につきましては、Samba 日本語版リリースノートを参照してください。
現在様々なプラットフォームで動作確認を行っておりますが、充分ではありません。みなさまの動作確認報告をお待ちしております。
ソースアーカイブの入手方法
Samba 日本語版の最新版はSamba 2.2.2 日本語版リリース1.1です
以下のファイルのいずれかをダウンロードしてご利用ください。
パッケージの入手方法
バイナリについては、各種OS用パッケージのページからダウンロードしてください。
開発中コードの入手方法
開発中のコードからは、毎日スナップショットを作成しています。
スナップショットは、Samba のミラーサイト からダウンロード可能です。
Web サイトの samba-jp/cvs/snapshot
を参照してください。
CVS ツリーから最新版をダウンロードすることも可能になっています。
CVS でのアクセスについての詳細は CVS でのアクセス方法 を御参照ください。
なお、CVS ツリーの方は随時更新されています。更新状況をごらんになりたいという方は、 sugj-cvs-samba-ja メーリングリストにご参加下さい。
Samba 2.2 日本語ドキュメント
Samba 2.2 付属ドキュメントの日本語訳を進めています。
翻訳状況については
Samba 2.2.2 ドキュメントの翻訳 を参照してください。
また、翻訳ミスの報告や翻訳作業にご協力いただける方は
sugj-doc メーリングリスト
までご連絡ください。
Samba 2.2.x 日本語版インストール方法
Samba 2.2.2日本語版リリース1.xをインストールするときは,通常 configure で以下のようにオプションを指定してください。
#./configure --with-i18n-swat {通常のSambaのconfigureオプション}
この他の点は、通常の Samba のインストールと同様です。
詳細につきましては、Samba 日本語版インストールガイドの configure 時の注意点を参照してください。
また、インストール後の動作確認方法に付きましても、Samba 日本語版インストールガイドを参照してください。
連絡先
バグを見付けたときや、コメントがある時は、sugj-tech@samba.gr.jp まで日本語か英語でメールでお願いします。もしくは samba-technical@samba.org に英語でメールして頂いても構いません。
Samba 日本語版の開発に関する議論に加わりたい方は、sugj-tech の説明と参加方法 をご一読の上、sugj-tech メーリングリストにご参加下さい。
このメーリングリストでは日本語で議論が行われています。英語のメーリングリストについてはご要望があれば作成したいと考えています。
また最新の開発状況を把握したい場合は、sugj-cvs-samba-ja の説明と参加方法 をご一読の上、sugj-cvs-samba-ja メーリングリストにご参加下さい。こちらの使用言語は原則英語です。また投稿の制限は行っていませんが、議論については sugj-tech メーリングリストで行ってください。
ライセンス
各国語ドキュメントを含むすべてのプログラムのライセンスは、特に明示されていない限りGPL(GNU Public License)に準じます。